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「綾っていつまでも慣れねぇんだな」
「う、うるさいってば!
ほら、早く行くよ」
睨むように智也を見つめるけれど、逆効果らしく。
「そんな顔されても、可愛いだけだから。
もっといじめたくなる」
「何言ってんの…!」
睨んだはずなのに、どうしてそうなるのか。
私にはわからないけれど。
もういいと思った私は、先を歩こうとした。
けれど智也は私の隣にきて腰を抱き、耳元で甘く囁いてきた。
「じゃあ続きは、今日帰ってからってことで」
「……っ」
その低く甘い声に、私は今も慣れやしない。
そんな智也に惑わされ、今日も彼のペースにはまってしまう。
その中で私たちは、幸せな日々を過ごしていた───
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