甘い罠

6/6
1396人が本棚に入れています
本棚に追加
/200ページ
「もう私は、恋なんかしなくて仕事一本だって言ったわよね?」 じっと智也を睨む。 この間言った話を覚えていないのか。 「先生、その上目遣いって誘ってますか?」 「話聞いて」 「別にそれなら俺のことスルーしたらいいじゃないですか。 もっと警戒すればいい。俺の簡単な罠にはまってるのは先生の方ですよ?」 「……っ!」 図星だったため、何も言い返せない。 悔しい、なんでも智也の思い通りになる自分が。 「合宿がすごく楽しみになって来ました」 ニヤリと笑う智也は、獲物を見つけた悪魔にしか見えなかった。
/200ページ

最初のコメントを投稿しよう!