不可能な抵抗

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すると智也は写真を撮られまいと、私の方へと寄ってきた。 「えー、中谷くんのケチ」 「おい!智也だけ女子に騒がれて羨ましいぞ!」 周りから見れば、逃げるように私の方へと寄ったと思っているのだろう。 けれど智也はわざとだった。 それも計算済みで、自然に私の方へと近寄ってくる。 幸い、城田先生の向かい側も座っている人はいないため、私たちのことは誰も見えない。 智也は黙って、あいている方の手で私の髪に触れた。 「……っ」 こんなことで反応してしまう自分を恨みたい。 相手は高校生だっていうのに。 何こんなことで惑わされてるんだ私。 バカか。 平常心を保とうとすれば、今度は頬へと手を下ろしてきた。 かと思えば、優しく智也の方に顔を向かせてくる。 私の表情を見て、小さく微笑む智也に胸が高鳴った。 今私、どんな顔をしているの……?
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