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甘い罠
「勉強合宿、ですか?」
「そうだよ。勉強がメインの親睦会が、四月末に三年生で合宿が行われるんだ」
現在、職員室前で学年主任の先生と話をしている私。
学年主任の先生は今年で3年目だけれど、仕事ができるということで早速学年の代表を任されたらしい。
しかもこれまた中々のイケメンで、女子生徒が黙ってない。
まあ女子生徒の中では智也の人気の方が圧倒的なんだけれど。
そんな学年主任の先生は何かと私を気にかけてくれている。
「知りませんでした。
谷原先生、わざわざ教えていただきありがとうございます」
私が笑顔で答えると、谷原先生も満足そうに笑った。
「新人だから色々仕事があって予定なんか見る暇ないだろう?
それに急遽決まったから、あまり連絡が行き届いてないん。」
「そうだったんですね」
「それで相談なんだけど、ぜひとも黒崎先生がメインで生徒たちに教えてくれないかな?」
「……え?」
その話は意外で、驚く私。
「いやぁ、実はまだ一週間ちょっとしか経ってないのに、生徒たちが黒崎先生がわかりやすいって言ってすごく好評なんだ。
早速他の教科も教えてるみたいだね?」
まさかそこまで好評だったとは思っていなくて、内心喜ぶ私。
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