不可能な抵抗

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不可能な抵抗

勉強合宿当日。 私は朝から不機嫌だった。 理由は一つしかない。 それはバスの席だ。 普通先生って一人で座るのが当たり前なはず。 けれど女子は偶数で男子は奇数のため、担任の先生が余った人は私の隣に座ろうって、わけのわからないこと言い出したのだ。 『俺、黒崎先生の横がいい!』 『俺も俺も!』 男子がそう言い合うから、『じゃあクジにしましょうか。 』と担任の先生が言った。 それも、面白そうに。 もちろん私は、智也と隣にはならないだろうと思っていたのに。 『うわー!何だよ智也かよ』 『俺が座りたかった!』 『智也ずりーぞ!代われ』 これは神のいたずらか何かだろうか。 まさかの隣が智也になったのだ。 もちろん私も反対した。 『さすがにこれはダメなんじゃないですか?』と。 けれど担任の先生はやはり楽しそうに笑って、『いいじゃない、面白そうで』と返され、結局そうなってしまった。 担任の先生って智也のグルかもしれない、と思ってしまうほど話ができている。
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