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第2話 純潔の聖処女
彼女……茜を初めて見たのは大学のある講義の中だった。本来、医学部の僕と体育学部の彼女が講義で一緒になる事はほぼ無いのだが、たまたま全学部共通の必修授業の中で彼女を見つけた。
彼女は病的に美しかった。陸上部で鍛え上げられた彫刻のような肉体に勉学も優秀。その上、色恋沙汰には一切の興味がないと噂の……まさに穢れを知らない、純潔の聖女。一目見たとき、僕の脳内に電撃が走った。彼女は『芸術』だ。
それと同時に僕の中で芽生えたのだ、この美しき『芸術』を彼女の美しさを理解する僕自身の手で保全しなければならないという責任感が。
それから僕は完全に彼女の虜になった。彼女の事は調べられるだけ調べたし、僕自身も彼女を手に入れるためにはどうすべきかを考えた。彼女の全てを分析し、住所などの個人情報から趣味やお気に入りの店が何処かもすべて把握した。準備は万全だった。
そして、準備を整えた僕は彼女……吹山 茜に告白をすることにした。
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