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本編
古くから続く学園には、同じように古くから続く制度がある。
それはもはや因習と呼べなくもない。
そんな制度だ。
今では簡単にパートナー制度だなんて呼ばれている制度は学園内だけでなく寮生活まで関わる。
魔法戦実習でも共に戦うことから、基本的には強いものは強いもの同士組むことが多い。
だから、自分は自分と同じ程度の人間と組むと思っていたし、将来、魔法使いとして魔法省に入るような人間にかかわり合いになるとは思わなかったのだ。
それに、パートナーは寮で同室となる。
実力者は魔法使いの家系が出身のものが多いのだ。生活水準の違うものと過ごそうとするものはいない。そう思っていた。
あえて、言いたい。
どうしてこうなった。
ベッドで眠る“王様”を見ながら思う。
最初は入学説明会の後の校内の自由見学のことだった。
取り立てて、得意分野があるわけでない自分はどこを見に行けばいいか分からなかった。
魔法方程式に興味のあるものは図書室へ、魔法薬に興味のあるものは調合室や薬草を育てている温室などに向かっていた。
正直どこにも興味が無かったのだ。
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