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「ナチュル!いざという時の為に下り坂を探しとけ!」
「ロブスト一人で大丈夫なの!?」
「狩ったことは無いが……一応予習はしてる、だからお前は後衛にいろ」
「う、うん!クロ!こっちに!」
ナチュルはクロワールの手を握り少し距離を取ると同時にロブストはフォレストグリズリーの方へと走って行く。
ロブストの間合いに入ると勢いよく武器を振るがフォレストグリズリーはそれを軽々と片手で受け止める。
「これは本気を出さないとなっ!」
ロブストは力でゴリ押すように受け止めている手を弾くと被せてあった布を勢いよく剥がす。
「なに……あれ……剣?」
クロワールの見たロブストのそれは──剣というにはあまりにも大きすぎた、大きく、分厚く、重くそして大雑把すぎた。簡単に言い表すにはそうれはまさに鉄塊だった。
「はぁぁぁぁっ!」
ロブストはそれを勢いよく叩きつけるとフォレストグリズリーは悲痛の叫びを上げ、林道中にそれが響き渡る。
「くっ!」
響き渡る程の叫び声がロブストの聴覚に直撃し、その場で立ち竦んでしまい、その隙を見たフォレストグリズリーは左腕を振り上げる。
「しま──っ!」
ロブストは身構え、受け身の体勢をとるが攻撃は飛んで来なかった。
「なっ!お前下がっていろと言ったろ!」
ロブストはフォレストグリズリーの胴体をよくみるとかすり傷ではあるが斬られた後があり、その奥には切り払った動作の跡とみられるクロワールがいた。
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