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「でも、ロブストさんが!」
突然の事に怒り狂ったフォレストグリズリーはクロワールの方を向き殴りかかろうとしていた。
「(くっ!間に合わねぇ)クロワール避けろ!」
「これなら!」
斬るだけではそこまでのダメージを与えられ無いと知りクロワールは前転をし懐へ潜ると、青銅の剣を突き刺す。
「フレイムエンチャントォ!」
クロワールがそう叫ぶと突き刺した剣先から火がつきフォレストグリズリーの腹を突き破る。
「魔法……だと!?」
記憶のない彼が咄嗟に魔法を打てたことでロブストは驚愕する、火事場の馬鹿力と言う事もあったが魔法を即座に打てるなんて事はほぼ無いに等しかった。
「はぁ……はぁ……うわっ!?」
剣を抜き息の切れたクロワールの上にフォレストグリズリーの死骸が覆い被さり、押し倒される。
「(俺が多少ダメージを与えていたとはいえ、まさかアレを一人で狩るなんて、それにあの動き……鍛えればかなりの腕になるだろうな)」
「意外な収穫だね!」
「あいつをカンパニーに誘う気か?」
「うん!ロブストだって同じ事考えてるでしょ?顔に書いてるよ!」
「フン、ちょっとだけアイツを鍛えたいと思っただけだ」
「ねぇ!助けてよー!」
死骸の下敷きになっているクロワールの声が少し篭った感じで聞こえ、二人は眼を合わせ少し笑うと彼を死骸から引っ張り出した。
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