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不満げな顔を浮かべる蜜は、出会った頃から変わらず常識を知らない。
そんな蜜が恋をしただけでも楽しかったけれど、遂に彼女ができた。
さて、これから蜜はどんな刺激と楽しさを僕に与えてくれるのだろう。
想像しただけで、胸が高鳴って踊ってしまう。
誠実で優しい夜鷹織の秘書を羨ましく思ったりもしたけれど、やっぱり僕は雀宮蜜の隣の方が最高に楽しい。
「蜜。」
「何さ。」
「鷲崎さんとの恋愛成就おめでとう。」
「……。」
「まだ改まって言ってなかったなと思って。」
「ありがとう。そうだ、お礼にもう必要なくなった盗聴器を凪咲に譲るよ。」
「うん、いらないから捨てるね。」
蜜がいる限り。
僕が蜜の隣にいる限り。
僕の人生は刺激に溢れた楽しい日々になるに違いない。未だにその確信を持っている。
「あーあ、楽しみで仕方ないよ。」
明日が。
未来が。
凄く楽しみだ。
「さて、仕事始めようか。」
「待って、鷲崎さん今何してるか監視カメラで…「いい加減父さんに逮捕して貰うよ?」」
もしかしたら、蜜と鷲崎さんとの子供を僕が抱っこできる日もそう遠くはないのかもしれない。
未来への期待を膨らませれば、僕の頬も蜜に負けないくらい緩んでいった……。
鷹と鷲の本質【完】
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