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「やっぱりな、便器ちゃんは穴を掘って便器を捜していたんだよ」
「まぁそうだったの、だったら早く言ってよ。私たち、便器ちゃんが倒れているうちに、便器は岩の反対側に運んでおいたの。さっき慌てて逃げたから、便器ちゃんに便器の置いていある場所を教えてなかったのね」
「え?」
僕は走って人面岩の反対側に回り込んだ。
「あった、僕の大事な便器」
僕は便器との再開を喜び、思わず便器を抱擁した。今まで肌身離さず大事にしていた便器だ。こんなに長く離れていたことは初めての事だった。
「さあ便器ちゃん。これから何が起こるのか、オレたち見せてくれよな」
ブラカスちゃんが、好奇心と期待に目を輝かせる。僕は便器を背負って立ち上がり走った。そして、もう一度人面岩の正面に立って言った。
「目覚めろ! ダイベンガー」
「ダイベンガー、一体それはなんだ?」ブラカスちゃんが言った。
「ブラカスちゃんでも知らないの? ねえ便器ちゃん、ダイベンガーってなーに」エメドラちゃんが大声を出した僕に、不安そうな目を向けていった。
「・・・・・・」
僕は二人の声に答えずに、人面岩の反応をジッと待った。
「どうしたんだよ便器ちゃん、何も、何も起きないじゃ無いか」
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