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 ダイベンガーは、僕の憧れのロボットだ。記憶を無くした僕の頭に、ダイベンガーのおもちゃと一緒に遊ぶ、おそらくは幼い日の光景が頭に浮かんできたのだ。その記憶を頼りに、僕は人面岩の中に眠っているダイベンガーを蘇らせようとした。何故だかそれは、自分の中では絶対に可能だと信じられたからだった。でも、よく考えてみたら、子供の頃のおもちゃが現実のロボットになって、自分のピンチを助けてくれるなんて、どうしてそんな事が可能だと信じられたんだろう? 「そう、便器ちゃんはダイベンガーがこの人面岩だって言うんだね」  ブラカスちゃんが真っ直ぐに、僕の目を見つめてきた。その目は真剣そのものだった。もしかしたら、僕の頭が正常で無いのを心配して、それで真剣な目をしているのかも知れない。でも、ブラカスちゃんの目には、そういった僕への不信は一切無くて、その代わりに瞳の奧ではキラキラとした真摯な情熱がほとばしっていた。 「ブラカスちゃん、僕の事、信じるの?」  僕はブラカスちゃんに聞いた。でも、答えは目を見たときから分かっていたのだ。 「あったり前だろう、便器ちゃんが言うならきっとそうに違いないさ」  ブラカスちゃんは僕の肩をドンを押して、照れくさそうに言った。 「エメドラちゃん、便器ちゃんがダイベンガーを呼び出すってさ。オレたちも手伝ってやろうぜ」  不安そうにビッグマウス・サンドワームの群を眺めていたエメドラちゃんは、ブラカスちゃんに呼びかけられるとこっちを向いて言った。 「どうするの?」 「便器ちゃん、ダイベンガーって言うのは、この岩に向かってただ呼びかければいいのか。他にダイベンガーを呼び出すためにする事って無いのか」 「う、うーん」     
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