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「き、きみは。」オドオドとナキムシはしゃがみこみました。干草がフワっとへこみます。
「おいおい、オレのこと覚えてないの?」ハツカネズミはあきれたとばかりに、声を出しました。
「え、ええと、もしかして。」ナキムシは泣きそうになりながら手を口にもっていきました。
「そう、オレだよオレ。」期待した目つきでハツカネズミはナキムシを見ています。
「もごもご。」ナキムシが何か言いましたが、手で口を押さえているので聞こえません。
「バカだな、それじゃ聞こえない。手をどけろよ。」ハツカネズミに言われて、ナキムシは実際そうしました。
「ビリー?」ナキムシはもう一度、今度はしっかりとした声で言います。するとハツカネズミの顔はパッと明るくなります。
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