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「でもオイラ、オイラは。」ナキムシはどうしていいのかわかりません。
「そうお前は奴隷だよ。しかも兄貴を殺した相手に捕まって、それでのうのうと暮らしてるんだから世話ないよな。」ビリーは干草のタバコを地面にこすりつけて消しました。
「どれい。オイラ、どれいじゃないよ。」ナキムシはまた泣きそうになります。
「おい、男だろ。泣いてるヒマがあったら、やるべきことがあるんじゃないのか。」ビリーはナキムシの正面で言います。
「やるべきこと?」大きなナキムシは小さいビリーに気おくれしています。
「敵討ちだ。」ビリーはそう言うと、再び干草を蹴り上げました。
その干草はフワリと舞って、ナキムシのぼろぼろの衣服にちょこんとつきました。
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