2、ビリーは干草の上に寝転びながら言いました。

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「でもオイラ、オイラは。」ナキムシはどうしていいのかわかりません。 「そうお前は奴隷だよ。しかも兄貴を殺した相手に捕まって、それでのうのうと暮らしてるんだから世話ないよな。」ビリーは干草のタバコを地面にこすりつけて消しました。 「どれい。オイラ、どれいじゃないよ。」ナキムシはまた泣きそうになります。 「おい、男だろ。泣いてるヒマがあったら、やるべきことがあるんじゃないのか。」ビリーはナキムシの正面で言います。 「やるべきこと?」大きなナキムシは小さいビリーに気おくれしています。 「敵討ちだ。」ビリーはそう言うと、再び干草を蹴り上げました。 その干草はフワリと舞って、ナキムシのぼろぼろの衣服にちょこんとつきました。
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