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あすかの家出
いろいろあった、卒業式の帰り道、大樹、あすか、しのぶは、一緒だった。
「ねえ?どうして、第2ボタンを、しのぶにやったの」あすかが、責めるように、大樹に尋ねた。
大樹は、はぐらかそうとした。「さあ、そうだったけ?」
「私、しのぶに手渡しするの、見たんだから!」
少し悔しさをにじませる。
しのぶは「あすかが、欲しかったら、あげる」と助け船を出した。
これが、逆効果だった。
「バカにしないでよ!本当に欲しいのは、大樹の気持ちなんだから」
2人とも、驚いた。そのあすかの言葉は、大樹への告白とも受け取れた。
それは、今まで三人とも、口に出してはいけない、禁句。
大樹は、ぶっきらぼうに、いった。
「俺は、お前を、恋愛の対象に見れない、ごめん」
すると、あすかは、いきなり、大樹のほおをバチーンと叩いた。
目を白黒させたのは、しのぶだった。
「いてーな、手加減なしかよ」大樹は、ほおをさすりつつ、いった。
あすかは、「ざまーみろ」と言って、走り去った。
あすかは、胸にある決心を、固めていた。
その夜、あすかは、家出した。何故だか、わからない。そして、そのことは、大樹のLine に伝えられた。
大樹には、あすかが、どこにいるか、確信があった。それは、幼い頃から使っていた秘密基地。
あすかをそこで見つけた時、彼は、怒った。
「心配したじゃないか」
あすかは黙っている。Line で知ったしのぶも後からきた。そして、あすか、帰ろう」声をかけた。
しかし、それでも、あすかは、黙っている。取り付く島がないようだ。
その頃、満月だった。そして、ポツリとあすかは言った。「どうして、こんな感じになったんだろう」
業を煮やした大樹が言った。「別れは、新たなスタートなんだ。この先、何があっても三人が変わらないと誓おう」
しのぶは、言った。「私もそう」あすかも「そうね、よろしくね」
車で、迎えに来てくれた。車の中で「secret of my heart」が流れていた。あすかは、口ずさんだ。
疑ってもないねと。
大樹がなんて曲かと尋ねたら、あすかは、倉木麻衣と、答えた。「そんな曲は知らない。俺は、ビートルズオンリーだから」
「何、ずうとるび?」とあすか。
「お前ー」
こうやって、中学生の波乱の卒業式は、終わった。高校生になると、この3人の関係は、どのような、恋模様になるのか、それは、神のみぞ知る。
君は、ネバーランドの夢を見る
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