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今日は、春海高校の入学式。涼介、わかな、果穂の3人も、春を無事に迎えた。
卒業式の一件も、なかったような、仲良しぶりだった。
ところが、災難は、突然に降りかかる。偶然にも、同じクラスの一年生。ずっと、このまま三人の関係が変わらないと、思っていた矢先だった。
「私が、担任の矢部聖歌です。よろしくね。」
女性が教師だった。見るからに、スタイルが良い。男子生徒は、色めき立つ。
身長は、164センチ。モデルにもなれるような、魅力的な女性だった。
わかなと果穂は、お互いに顔を見合わせて、涼介を見た。ニヤついてる。年上の女性に、この頃は、憧れる、いわば、恋の病のようなもの。
「先生、質問があります?」と涼介。
「何かしら」と聖歌先生。
「恋人は、いますか?」と涼介が言うと、クラス中が、ざわめきだった。
聖歌先生は、落ち着いて
「残念ながら、いません。勉強に夢中になってたから。」
「年はいくつですか?」と涼介。
「大学卒業して、2年経つから、24歳、独身よ。」
そして、聖歌先生は、涼介に、こう言い放った。
「先生に興味があるのかな?」
涼介は、見透かされた気がして
「いいえ、別に」としか、言えなかった。
メラメラと嫉妬の炎を燃やすのは、わかなと里穂。まるで、後から出てきて、ご馳走を持っていくような感じに、襲われた。
女の敵は、女。攻撃の対象は、聖歌先生だ。私たちが、付き合いが、長いのに、この女何?
しかも、おばさんじゃない。
二人は、オリエンテーションが終わった後に、密談した。
「あの女に、恥をかかせようよ?」とわかな。
「いや、そこまではチョットねえ。」と果穂。
いきり立っているわかなは、こう言い放った。
「泥棒猫に罰を与えるのよ!」
「どうやって?」と果穂。
わかなは、頭の回転が、早い女だ。
こう、言った。
「ホースで、水をかけて、服をビショビショに、してやろうよ!」
「エー?」と果穂。
そこに、涼介が、現れた。
「何やら、悪巧みかな?お二人さん?」
ギョッと振り向く二人。
「もしも、あの先生に、何かしたら、俺が許さない。」
こうして、涼介をめぐる、恋の戦いは、始まった。
君はネバーランドの夢を見る。
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