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わたしは笑顔のまま、コクリとうなづいて、返事を返した。
わたしが返事を返すと、あの人は人だかりの女の子に申し訳なさそうにしながら、人だかりを抜けていき、すぐに行動に起こしてくれる。
そういうところも素敵だと思ってしまった。
二、三分して、廊下の方から足音が聞こえてくる。
(来た…)
とわたしは内心ドキドキしながらも、平静を装った。
「よお、エリカ」
わたしの名前を呼ぶ声がして、わたしはそちらへと振り向く。
振り向いた先にはひょこと教室の開けっ放しの扉から顔を覗かせているあの人がいた。
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