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「ん… っはぁ! 待って、何も準備してないのっ!」
「気にしないって言っただろ」
「僕が気になる!」
玄関に着き、我慢できずに何度も何度もキスをすると、腰が砕けたのかアルトは床に座り込んだ。
「手伝うぞ?」
「やだよ。自分でできるから」
「恥ずかしがってるのか?」
「ジンが手伝うと我慢できなくなっちゃう」
伏せ気味な顔を左右に揺らし、立ち上がったアルトは危なっかしい足取りで風呂場へと向かった。
――さあ、どう頂くかな。
リトが生まれてから、罪悪感がどうのこうのと言うアルトのせいで思うように味わうことができなかった。特に歩けるようになり、好奇心旺盛な歳になった我が子が同じ家にいるのに、集中してやりたいようにヤレなかった。
ベッドにバスタオルを引き、必要な小物をあれこれサイドテーブルに並べていると、かちゃりと扉が開いた。
「綺麗だな」
「そんなことないよ。重力に負けだしたもん」
バスタオルで下半身を隠したアルトは部屋の隅で恥ずかしそうに立っていた。
「おいで」
手を差し出すと、一回り小さい手が乗せられた。
ぐっと引くと、はらりとタオルが落ち、色白の肌が目に映った。
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