第二章 恋愛相談

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第二章 恋愛相談

 休憩時間に入ると、友達が私に恋愛相談をしてきた。  私に彼氏ができたことは無いが、その子曰く「相談しやすいから」だそうだ。  その相談内容は、「好きな人誰」と、興味本位で聞くと「恋はしないし、そんな暇あったら勉強したい。」と、言われたけど好きでいたら、駄目なのかな。ということらしい。  「そうなんじゃない。」なんて言うと私すごく冷たい人間になっちゃうし、「好きでいて良いんじゃない。」って言うと、「適当だな」って、自分でも思う。  そうして私が返答に困っていると、「すみません恋とは、どういうことですか。」と、後ろから声をかけられた。  後ろを見ると、ロボットの転校生だ。    「先生と博士に解らないことは聞け。と、言われましたので。」  「そんなこと言われてもなぁ。」  「何故ですか?」  「え。」  「恋を知っているからこの方に、恋を教えているのではないのですか?」    背筋が凍った。この子に悪気は無い。分ってる。だからこそ真っ直ぐな言葉が心臓を抉り取る。  「心拍数が上がりました。今、私のことを怖いと思っていますね。そんなつもりではなかったのです。ただ、人の感情を理解したかっただけなのです。この場合、人は『申し訳ない』と思うのですか。」  「そうだけど。」  それから、ロボットの転校生は笑顔になり、「『恋』は、解りませんでしたが『申し訳ない』は、解りました。ありがとうございました。」と、言った。  そして、「これは『嬉しい』でしょうか。」と、紙を見ていった  「その紙何?」と、聞くと「これは博士に渡された紙です。」と、言った。  「見せて。」  「どうぞ。」と、言われその紙を見ると、その紙には  「悲しい、嬉しい、楽しい、美味しい、苦しい、痛い、申し訳ない、愛、恋、好き、嫌い、嫌だ、しょうがない」と、書かれてあった。  「何、これ」  「人間の感情の大体のリストです。これが解ると一人前だと言われました。」  このとき私の頭にピカーンと、ある提案が思い浮かんだ。  「ねぇ、私がこれ全部教えてあげる!」  「本当ですか。『嬉しい』です。」と、誰かに言わされたようなセリフを吐いて、微笑んだ。  ロボットとはいえ綺麗な顔立ちだから、笑顔が良く似合う。  誰かに教えると、私も解るかもしれない。
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