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第1章 次のミッション
その日、夜が明けたばかりの羽田空港は騒然としていた。
昨日、内閣総理大臣の長谷川が行った発表に日本中は大変な興奮に包まれていた。その発表の内容は、日本の太陽光発電衛星の失陥と、マイクロウェーブが地上を焼く危機。そして理紗が困難な課題を乗り越えてマイクロフェーブの停止に成功した事。その理紗が国際宇宙ステーションからホープ2で羽田空港に帰還する事だった
早朝からターミナル2上の展望デッキは解放され、多くのメディアがカメラをD滑走路に向けていた。
先程、首相官邸からのヘリコプターが到着し、長谷川首相が空港のエプロンに降り立った。そしてD滑走路を見渡せるC滑走路エンドへ関係者と共に移動する。
その場の全員が雲が垂れ込めた東の空を見つめていた。
「自衛隊機は間に合ったか?」
長谷川が防衛大臣の山川に尋ねる。
「はい、百里のF35が既にエスコートに入っています」
「そうか、あとは着陸だけだな・・ 川上君、大丈夫と思うか?」
長谷川が横に居る倫太郎に問い掛けた。
「そう思います。彼女の能力を信じましょう」
長谷川が頷く・・
「来ました!!」
双眼鏡で着陸コースを監視していた担当者が声を上げる。
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