第2章 月へ向かう理由

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「そうだ。しかし、この太陽フレアの環境で救出作成を遂行するのは並大抵の困難さで無い。幸い、救助機としてはバックアップのスペースシャトルアトランティスとアポロ宇宙船、軌道上のブースターと揃っているが、古い機体だから太陽フレアのノイズに対する防磁処理にも限界がある。誰かが月まで手動で飛ばなければいけない。だから・・」 「私に白羽の矢が立った・・」 再び理紗が呟く・・ 「その通り。君にこの困難な任務を受けて貰いたい」 理紗は考えていた。ミッションの意義、そして何よりもスペースシャトルで軌道へ上がり、アポロで月へ向かう。私にしか出来ない任務・・ 理紗の心は初めから決まっていた。 「大統領、喜んで任務を受けさせて頂きます。月に行けて、十歳の子供を救出する任務。光栄です。是非、やらせて下さい」 マーシャルが大きく首を縦に振った。 「分かった。それでは、これから君には月に向かう訓練を受けてもらう。まずは、座学とVRによる操縦操作をこのエアーフォースワンの中で。そして、ケネディーに着陸したら、シュミレータを使って・・。打ち上げは米国東部時間明日の午後3時の予定だ。今は日本時間の午前6時だから、打ち上げまで49時間だ。ケネディースペースセンターへは12時間で到着予定している。それでは、ダグ後は頼む」 そう言うとマーシャルは立ち上がり部屋を辞した。 「さあ、リサ始めようか。詰め込み訓練だから少しキツいぞ。でも君なら十分出来る筈だ」 ダグのその言葉に理紗は大きく頷いていた。
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