第10章 地球軌道へ

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地球軌道が近づいていた。最初の軌道遷移減速噴射だ。現在の速度は秒速11.1キロ。ほぼ、第二宇宙速度に近い。軌道に乗る為には、秒速7.8キロへの減速が必要で、その後、軌道傾斜角の修正の加速噴射と減速噴射が必要だ。 理紗はチャーリーブラウンをヨーで178度旋回させ、進行方向に逆噴射をする位置についた。傾斜角修正とエンデバーのランデブーに向けて、100分の1度単位での噴射角修正を行う。 「リサ、地球軌道遷移減速まで、5、3、1、マーク」 理紗はビルの指示に従い、再びJ1エンジンを始動した。 1.6Gの減速度で204秒の噴射を行う。 結果、チャーリーブラウンは遠地点2800キロ、近地点400キロ、軌道傾斜角12.5度の地球周回楕円軌道に入った。 「ビル、予定軌道に乗ったわ。ブースターを廃棄(ジェットソン)するわ。3、1、廃棄(ジェットソン)」 理紗はブースターの2段目を機械船(メンテナンスモジュール)から切り離した。RTCを噴射し、ブースターの軌道から離れる。
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