第3章 エアフォースワンでの訓練
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第3章 エアフォースワンでの訓練

エアフォースワンは既に羽田を離陸して太平洋上空四万フィートを北東に向かっている。ケネディースペースセンターが在るフロリダ州ケープカナベラルへの大圏コースに乗っているんだ。 「リサ、まずは着替えて来てくれ。君のサイズに合っている筈だ。その奥が化粧室だ」 ダグが着替えの入った紙袋を理紗に渡してくれる。理紗は未だマーメードスーツを着ていた事を思い出した。 「はい、行ってきます」 ダグから紙袋を受け取ると理紗は会議室の化粧室に入った。下着とTシャツ、そして青いツナギが入っている。青いツナギを身体に通して化粧室の鏡を見る。右胸にNASA、左肩に日の丸があしらわれている。これは宇宙飛行士のパイロットスーツだ! サイズもピッタリだった。 化粧室を出るとダグがデスクの電話を取って何かを話している。直ぐに会議室のドアが開き若い男性がヘルメットの様なものと手袋、そして四角い箱を持って来て、ダグに渡した。 あのヘルメットは・・ 「Head Mounted Display System, HMDS・・」 理紗が呟く。 「そうだ、これを被ってVR仮想現実環境でシャトルとアポロのコントロール、計器を理解して貰う。また手袋はVR仮想現実環境で触ったスイッチを作動させる為に使用する。角速度と加速度センサーが埋め込まれている」 そう言いながらダグはHMDSのヘルメットと手袋を渡してくれる。 理紗は頷きながらまずはHMDSを被り、両手に少し厚い手袋を装着する。ダグがHMDSと手袋から出たハーネスを四角い箱に接続してくれる。 「シャトルはグラスコックピットだから案外簡単だが、アポロをは五十年前のアナログコックピットだ。全ての計器操作を覚えるのは大変だぞ。だけど、ケネディースペースセンターに到着する迄の十二時間で完了して貰う必要がある。着陸したら別の訓練が待っている」 「分かりました。始めて下さい」 「それじゃ、電源を入れる。ガイドに従って実施してくれ。各機とも最後に理解度テストがある。これも申し訳ないが完璧に覚えて貰う必要があるから百点のみが終了の条件だ。この為、ガイドの内容は圧縮して着陸までに二回は受講出来る様にしている」
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