道化の救い

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 日の下に咲き誇る花々に、橙に染まる夕空に、凛と佇む月に、私はあの日見た窓の外の世界を思い出します。世界はどこまでも美しく、そして尊い。たとえどれほど人間が醜かろうと関係なく。  私は今、毎日のようにいつか来る終わりを待ち望み過ごしています。その日が来たら、私という醜い存在も灰となり、骨だけでも美しき世界の一端に混じるのです。そうしたら私も、少しは綺麗な存在になれるでしょうか。それは地獄に在るしかない私にとって、僅かながらの救いのように思えます。  今日もいい天気ですね。空が晴れ渡り、花も見事に咲いていて、とてもとても美しい。 あとどれだけ、こんな日が続くのでしょうか。 あぁ、はやく、この美しい空間に溶けて消えて、私という存在が無くなってしまえば良いのに……。     終
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