Cigarette

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 午前中の授業を終えた僕は、予備校のそばにある喫茶店で、昼食にナポリタンを食べる。鉄板に乗ってジュウジュウと音を立てながら出てくるこの店のナポリタンは絶品なのだ。普段は高校時代からの友人、茂田(しげた)静雄(しずお)と二人で昼食を取るのだが、今日は一人だ。静雄はどうやら風邪を引いたらしく、昨日から予備校を休んでいる。  僕はナポリタンでお腹を満たして店を出て、これからどうするべきかを考える。今日は午後の最初の授業が講師の都合で休みになっている。そういうときは、いつもなら迷わず自習室に行って勉強するのだが、一人でいるせいか、どうも今日は勉強する気にならない。  次の授業までまだ二時間近くある。とりあえず本屋にでも行ってみようと、僕はプラプラ歩き出した。予備校の脇の通りを東に向かい、途中で右に折れて南に向かう。すると僕の目に一軒の小さなゲームセンターが飛び込んできた。  僕はゲームが好きで、高校生の頃まではそれなりにゲームセンターにも行っていた。だけど、浪人となった今ではそれどころではないと思い、ゲームを封印している。だけど、そのゲームセンターを見た瞬間、ちょっとくらいならという気持ちが湧き上がってくる。僕は引き寄せられるように、そのゲームセンターに入った。     
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