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くちゅくちゅと、指が口内で転がされる音が響く。
「んっ……。」
甘い声を漏らした彼女が、淫らな顔を浮かべている。
その姿を捕らえた僕の全身に滾るのは、言葉では表しきれない程の強烈な情欲。
「指だけで感じてるの?暦は変わらず嫌らしい人だね。」
悪戯な言葉を並べれば、相手が羞恥に塗れて頬を染める。
嫌らしい人。
暦は、昔から変わらず嫌らしい人だ。
僕を薔薇だと言うのなら、この荊で永遠にこの人を縛り付けてしまおう。
放さないよ、逃がしもしない。
命が尽きるその時まで、僕の棘で冒してあげる。
「指だけじゃ足りないよ歴。」
彼女が恍惚とした瞳で僕を射る。
理性の箍が外れて乱れた彼女は、また一段と美しい。
「どうして欲しいの?」
「意地悪。」
「クスっ…知ってるでしょ、僕が意地悪な男だって。」
「うん、そういう所も愛してる。だから、歴も私の事、愛してくれる?」
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