君が嫌いな僕

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「あっち行って。」 僕が教室で最初に君に話しかけた後、 君が僕に行ったのはそのセリフだった。 どうして嫌われたかはわからなかったけど、 君はきっと僕のことが嫌いなんだということが 言葉からもその目からも伝わって来た。 でもそれは僕が嫌いというより 一人が好きと言ったほうが正しいかもしれない。 彼女は一人の時間を邪魔した僕が嫌いなんだと思った。 自慢じゃないが僕はモテる。 勉強だって学年1位だし、運動だってそこそこできる。 今だって生徒会長をしているし、毎月1度は女性から告白もされる。 僕はモテる。 その自覚もあったし自信もあった。 だから君にその言葉をかけられたとき、ただただ驚いた。 「あっち行って。」 それは照れとかではなく、本当に言っていることくらい僕にもわかった。 正直教室でいつも一人本を読んでいる君のことを 元々どんな人なのか知らなかったのはもちろん、 あまり興味もなかった。 ただただ先生に言われて聞かなければいけないことがあったから 話しかけただけであって、それ以上でも以下でもなかった僕に 君はそう言い放った。
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