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あの事件は、この日本で七十パーセントの人間が体験したという。だから、読者諸君の中では、先に公開された著作物に不満を覚えた人が少なからずいたのではないかと推察する。
つまり
『そんなに深刻だったか?』
成程、かなりの人が亡くなった事件ではある。
だが、五大都市以外で、618事件から一週間以内に亡くなった人の数は、実は全国合計で、三桁に届かないらしいのだ。(執筆時の統計に基づく)
そういったわけで、地方の真実というやつを、多少なりとも残しておくべきではないか、と考え、作者は筆を取った次第である。
これは、地方の住人の目から見た『ゾンビ』についての覚書、そして私の地元において、618事件が沈静化するまでの数日間の記録である。
とはいえ、喜ばしい事に関係者一同、現在もすこぶるピンピンしているうえに、私も含めて要職についている者が大半であるから、作中においては、人物名、地域名等はぼかしたり、改変や、入れ替えをさせていただいた。また、劇中で語られる映画に関しては、権利云々が非常に面倒であるので、これまた、ぼかしたり、略称にしたりしているので、注意されたし。(何となく察しても、それは読者諸君の心の中に閉まっておいていただきたい)
ただし、起った『事態』と、交わされた『会話』は思いだせる限り『忠実』に再現した。
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