第一章 生態及び撃退方法について:基本生態、身体能力

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 読者諸君も実際に目撃するか、動画サイト等で見たと思うが、『ゾンビに噛まれた人間は、即座に前後不覚になる』のである。故に、救急搬送されてしまい、病院等で爆発感染を引き起こすことになるのだが、とにかく、遠方までの移動は不可能であろう。  いや、しかし電車等に乗る場合もあるじゃないか、という疑問は当然のように出てくるのだが……関東限定で言えば、都内以外でゾンビが確認されたのは、早くても六月十九日なのである。  ちなみに作者の住む地元には新幹線が停まるが、ゾンビ達が姿を現したのは、六月の二十五日であった。(まあ、後述する迅速な処置が功を奏していたのではあるが、としても、一人も来なかった点は見逃せない)  次はゾンビの身体能力である。  大体の資料や著作物では、歩行速度は、時速四~五キロメートル。筋力等は、脳のリミッターが外れた状態なので、怪力を発すると記されている。  確かに、そうなのだろう。実際にゾンビによって破壊された家屋や、損壊された遺体の写真や映像もある。  だが、それは『なりたて』の場合に限るのだ。  個人的には、地方に拡散したゾンビ――所謂『熟成ゾンビ』の筋力は、移動する脚力以外は、ほぼゼロに近かったのではないかと考えている。  嘘だ、とお思いの地方在住の読者諸君は、よく思い出していただきたい。  ゾンビがドアノブを回しただろうか?   ゾンビが物を持っただろうか?  ゾンビが掴みかかってきただろうか?     
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