宝くじで100万円当たった話。

100万円当たったら

　この日、僕は散歩をしていた。我が家の愛犬、コロと一緒だ。柴犬のコロは小学生の時妹が拾ってきて、丸まった姿がコロッケみたいだからコロと名付けられた。

　そのコロは家に一番近い曲がり角の所で、前脚を踏ん張ってまだ散歩するのポーズをする。僕がグイグイと引っ張ると諦めたように僕の後をついてきた。家に着くとコロを犬小屋に連れて行くのに庭に回る。

　そこで僕は見てしまった。

「……。」

　窓から見える居間で兄が姉を羽交い絞めにして、その前で妹がぴょんぴょん跳ねているのを。
　ロクなことではないと僕の脳はすぐさま結論付けた。

「もう一回散歩行こうか、コロ」

　ところが目の前の窓が勢いよく開かれる。

「さんにぃも手伝って！」

　妹の手によって脱出は失敗に終わった。