Nightmare1:黄昏に住まう影

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「それは蒼斗もでしょ」  へらりと笑いながら結月は言う。一瞬だけ不思議そうな色を滲ませた三白眼が、結月を見つめた。 「いや、オレは変人じゃないんで比べるまでもないっすねぇ」 「は? 何言ってるの」 「オレはこのサークル一番の常識人なんで、変人じゃないっす」 「自覚ないのかよ、怖っ」  わざとらしく怯えたような表情を作る。結月は蒼斗から少し距離を取った。蒼斗は呆れたような顔をして、再び三人に視線を送る。 「三人には、オレたちを見習ってほしいもんですねぇ」 「ははっ、言えてる。……でも、まぁ――」  結月は騒ぐ三人を一瞥する。  かつては自分一人しか居なかったこの部室には、こうして自分以外に四人の人間が居る。他サークルに比べれば人数が少ないことに変わりないが、あの閑散とした部屋がこうも賑やかになったことは、結月にとって素直に嬉しいことだった。 「賑やかでいいんじゃない?」  仮初の日常を守る部屋に、嬉しさが滲むその声がそっと落ちた。
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