土器土器マツリ

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土器土器マツリ

 5000年前、ときは縄文時代中期(じょうもんじだいちゅうき)。川のほとりに、男235人、女150人が住む大規模な集落があった。地面を掘ってくぼみを作り、柱と(あし)を使った三角形の竪穴式住居(たてあなしきじゅうきょ)が川を挟んで、そこかしこに点在(てんざい)している。  朝、パフは外に出た。精悍(せいかん)な空が一面に広がっている。今日は絶好の土器日和(どきびより)だ。  早速、家の前で火を起こした彼は、昨日までに作った土器を燃やしはじめた。原型を作るのに丸一日を(つい)やした力作だ。  すこしして、隣に住むベスが出てきた。かれは熊の毛皮に身を(つつ)んだ大男で、集落で一番の力自慢。寝不足の状態で三頭のヒグマを仕留(しと)めた逸話(いつわ)はあまりにも有名であり、その狩りの功績(こうせき)は永遠に語り継がれるだろうと言われている。
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