あの日の続き① side咲雪

3/3
26人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
「まさか同じ日に生まれるとは思ってなかったわ」 「なゆー、未来の旦那様だよ~」 「こ、小雪さんっ。いくらなんでも早すぎるよっ」 「なんだ、兄さん。うちはいつでも菜雪(なゆき)を景(けい)の嫁にもらう準備は出来てるぞ?」 「生後二週間で何言ってんだお前はっ!」 賑やかなのは、私と晃くん、両方の両親だ。 再婚したお母さんとお父さんたちに子どもが生まれたんだ。 お母さんとお父さんの間に、私の妹、奏子さんと光司お父さんの間に、晃くんの弟が。 同じ日に生まれた二人は、血縁上も従兄妹になるわけだ。 そして……。 「由羽(ゆう)、仲良く出来るかな?」 晃くんの腕の中で眠る由羽の頬をつつく。 結婚した私と晃くんの間にも、二人より少しだけ先に息子を授かっていた。 「自分より年下の叔父と叔母ってどうなのかしらね?」 「ややこしいからいとこで通しちゃっていいんじゃない?」 そんなことを話す私たちの両親。 私の隣の晃くんは、今日も穏やかに微笑んでいる。 そして二年後、もう一人、娘、羽咲(うさ)を授かった。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!