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言って、尚之のジャケットからスマホを奪うと、尚之に握らせ、
「ほら、早く。お前にはこういう刺激があったほうが、仕事にも張りが出ると思うぞ」
塩崎は面白そうに尚之に勧めると、尚之はおずおずとそのアプリを検索した。
「さて、鬼が出るか蛇が出るか」
塩崎は始終楽しそうに、尚之の操作を見ていた。それからインストールが済むと、塩崎は満足したように、電子タバコをポケットにしまうと、
「じゃあ、結果報告、待ってるわ」
言って、ひらひらと手を振ると、喫煙所から出て行った。残された尚之はスマホの画面を見つめた。そこには「ドキドキメール」と書かれたアイコンが表示されていた。尚之は
それを見ると、すぐにポケットにしまった。こんなもので美女といいことが出来るなら、何も苦労なんてしない。塩崎はルックスに恵まれているから、そんなことが言えるんだ、そう自分に言い聞かすと、タバコの吸い殻を捨てて、喫煙所を出た。
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