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第六章 孤独
ろくに休息もとらず、食事もせず。
滝川は毎日魂を抜かれるように、女を抱いている。
恐らくアキコと出会った半年ほど前よりも、
10キロは痩せているはずだった。
元々細身なのに、服が合わずに浮いている。
スーツのズボンはベルトで無理やり締め上げて
ベルト穴も新たに開けた。
だが、もう気にはならない。
時々めまいが襲ってくるが、誰も何も言わないのだから
大丈夫なのだろうと彼は判断していた。
みんな滝川の事など、居ないもののように振舞っている。
彼は孤独を感じていた。
今すぐにそれを埋めたいのに、埋める相手が居ない。
キャッチセールスでも良かった。
誰かと話したい。
いつも自分からコミュニケーションを取るタイプでもないのに
珍しく彼はそんな事を考えていた。
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