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第五章 渇いた欲望
アキコには何の他意もなかったようで、
トイレから戻った滝川を不思議そうな目で見ていた。
そういえば彼女には姉の話はしていない。
ただの偶然にしてはタイミングが悪かったが、
仕方の無い事だった。
「ごめんなさい。お姉さんが大変だったなんて知らなかったから。」
アキコがしおらしく言う。
滝川が今の状況を全て話した後だった。
「仕方ないよ。俺も話してなかったし。
こっちこそごめん、せっかく買ってきてくれたのに。」
ふとアキコを見ると、大きな瞳に涙を湛えていた。
なんだかいじらしく見えて、ぐっとくる。
滝川は申し訳ない気持ちで、彼女を抱きしめた。
アキコの身体はこんなときでも悩ましく反応する。
胸元に触れて、下着を着けていないことに気付く。
こんな時なのに、いやこんな時だからこそ
滝川はアキコが欲しくなる。
珍しく猛々しい気持ちで、
彼はアキコの中に押し入った。
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