百物語

29、手が錆びた匂いがして、懐かしいんだなぁ。
28、ブランコからジャンプして飛び降り…ない方がいいなぁ。
27、大人の判断ができるようになったんだなあ。
26、知り合い、いないよな。
25、あれ、あのママ、知ってる？
24、ああ、同級生だった和子ちゃんだった。
23、そうか。和子ちゃんはママになったのか。
22、和子ちゃん、誰かとお話したかったんだね。
21、和子ちゃん、こんなかわいい子ができて幸せだね。
20、大丈夫だよ、和子ちゃん。お話ちゃんと聞いてあげた。
19、和子ちゃん、笑顔でお家に帰って行った。
18、和子ちゃん、ちゃんと子供の手を引いてた。しっかりと握っていたよ。
17、自分にも帰る家があるんだな。
16、家族が待っててくれるんだよね。
15、帰ろうかな。そんな風に思った。
14、さっきまで、消えてなくなりたかったのに。
13、もういまにも、なくなってしまっていいって、そう思ってたのに。
12、また、涙が流れてきた。
11、涙が止まらなかった。
10、もう、止まらなくっていいからって、しばらく泣いてしまった。
9、声もあげて、しゃくりあげるようにして泣いちゃった。
8、あれ、ハンカチ、アイツが横で差し出してくれた。