馴染みのおっちゃんと、神宮寺の再出発

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私は、神宮司四郎。豪邸探偵だ。 いまの私の格好はというと、黒のスーツに、機能性の高いシューズ。 と言いたかった。しかし、私は、タオル一枚から、シャツとパンツを借り、無様な姿をさらしている。 親切な馴染みの手配で服が到着するのを待っている。 「乾いた服を出しておくぞ!」 馴染みのおっちゃんの、その声に私は癒される。 しかし、そこにあったのは、私のスーツではなかった。 来たか!ブラックファントム!! つづらが二つ用意してある。 どちらかが当たりというわけか。 ルールを理解した私は、右のつづらを選択した。 なぜか?失敗したらやり直しが利くから?ちがう。人間の行動原理だ。 ふたを開けると、当たりだったようだ。黒のスーツが入っていた。 ただ、ぱっつんぱっツンに縮んでいたのだが、これはどうやら、ブラックファントムの仕業らしい。もう片方のつづらには、星条旗のような派手なロングシャツが一枚入っているだけだった。 「おっちゃん!ブラックファントムがいるようだ!」 「なに、子供のような格好をしておる。イメチェンか?」 「ブラックファントムにやられたんだ!」 「イメチェンの時期だ。もしかしたら、コナン君になれるかもしれないぞ!」 おっちゃんのユーモアには参ったぜ。おっちゃんがファントムなわけがない。出直すきっかけを作ってくれたんだ。ひとまず、恥をさらして、家に帰ろう。代わりのスーツは自分で手に入れろと言うわけだ。 ぱっつんぱっつんの俺は、いま、昼の商店街を歩いている。 見てろよ、ブラックファントム!この恥辱は、必ず返す!
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