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「腹が減ったなあ」
ガラの悪いデブがそんなことを言い始めた。
「誰か料理ができる者はおるか」
リーダーシップのあるデブが尋ねた。
ほとんどの者が目を背けた。ボブも目を背けた。
俺は食べる専門だからなあ。
「僕は食べるのが専門だから、無理だよ!」
またも純粋そうなデブだ。
逆に仲良くなれるかもしれないとボブは思った。
「俺も食べるの専門だなあ」
「私も」
口々にデブたちが呟いていた。
デブあるあるなのかもしれない。
「あのう、一応私はコックをしてましたので・・・」
「私も、主婦ですから一通りは・・・」
そうやって立ち上がったデブたちがいた。
皆、瞳を輝かせて見つめていた。
「では彼らに料理をお願いしよう。先ほど確認したが、調理場には食材や調理器具、飲み物もあるようだ。大きな窯もある。何か適当に作ってくれ」
リーダーデブがそう言うと、コックデブは困ったような顔をして言った。
「何かリクエストはありますか?」
若い女デブが言った。
「やっぱピザっしょ!」
異論はなかった。
多くのデブもそのようだった。
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