第3話 良くない思惑

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ジビエ達がいた村から早急に幾人達は離れ次の村に向かった。 「次の村もとても裕福とは言えませんので今度こそ物乞いに気をつけてくださいね」 そうジークが注意したが幾人は言った。 「もう既に遅いかもしれない…」 と言ったのジークが振り向くと幾人が子供達に囲まれていた。 「まだ村から離れているのにどうして?!」 すると子供達は答えた。 「各地から勇者が首都に集まるのなんて誰もが承知の情報だろ?待ち伏せしないと他の奴らに獲物が取られちまうだろ?」 そう子供達のリーダー格が言った。 ズボンから小さなペティナイフの様なものを差し出して言った。 「お前勇者だろ?金か食い物寄こせよ…」 すると幾人は冷静に子供達に聞いた。 「お前達親がいなくて空腹なのか?それとも食料不足で空腹なのか?」 子供達はナイフ出されてもビビらない幾人にビックリしながらちゃんと幾人の質問に答えた。 「親がいないやつもいるしこんな最果てに近い村に食料が届くわけないだろ?まだ首都の外の方が優雅に暮らしてるはずさ…でも出れないんだよ!!」 幾人は疑問に思い子供達に聞いた。 「出れない?」 するとジークが言った。 「地位が全てのこの国は地位を失えば人としての価値はなくなり人権をなくす代わりに自由が貰えますが、自給自足で貴族に逆らえません、ですが、首都の中に入っていればたとえ身分が低くてもいい仕事に着くことができ多少の身分が得られるのですよ」 ジークの話を聞き幾人は子供達に聞いた。 「お前達はもう親はいないのか?」 すると子供達は下を向きながら言った。 「見せしめとして国王に殺された」 幾人は聞いた。 「見せしめ?」 ジークは言った。 「勇者が死に絶えた後に国王が1度暴れた時期がありまして、その時期に首都の端に住むもの達がこの首都から出ないようにと念押しの為に殺されたと噂で聞きましたがまさか本当だとは……」 するとジークの話を聞き幾人が子供達に言った。 「もし、今すぐこの首都から出れるとしたらお前達残るか?」 子供達は言った。 「身分なんかいらない…俺たちは…飢えて死ぬより自由を手に入れてから死にたい!」 すると、幾人は言った。 「じゃあ村に連れて行ってくれ!僕達を人質として村に案内してくれ!そこで作戦を立てないとな!」 ジークはびっくりして焦りながら幾人に言った。 「人質?!いくら子供でも何するか分からないんですよ?作戦って本当にここから逃がせると思ってるんですか?!」 子供達も焦りながら言った。 「馬鹿じゃないの?本当に出られるなら嬉しいけど…そんなの無理に決まってる第一!人質として連れて行ったらどうなるかわかってるのか?」 幾人は優しく子供達に答えた。 「分かってるよ、分かった上で1度キリのチャンスがありそうだから作戦を練るんだ!」 ジークは頭を抱えながら幾人に言った。 「はぁ…これはもう意見を曲げなさそうですね……」 幾人はワクワクしながら言った。 「じゃあ村に早速行こー!!」
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