Goodbye June ―水無瀬side―

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「アイス買って、下で食ってこーぜ 」 「お、いいね~」 珍しく神月が誘ってきて、俺達は橋の手前で寄り道をして、角のコンビニでアイスを買った。 土手から河川敷へ降りる階段を、二つ飛ばしで駆け降りる。 「うはー、ここ気持ちぃな!昼寝してぇ」 俺はジャージのファスナーを全開にして、大の字で寝転んだ。 神月は、そんな俺の横に腰掛けると、 「昼寝っつーか、もう夕寝だな」と笑う。 俺はその横顔を下からチラリと盗み見した。 それにしても、まー……でかく育っちゃって…… 神月と並ぶと俺がチビ呼ばわりされがちだけど、決して俺が小さい訳じゃない。 コイツがデカすぎるんだ! 中2あたりまでは、どんぐりの背比べ状態だったのに、中3の夏休みに神月だけアホみたいに身長が伸びて、あっという間に10センチ以上の差をつけられてしまった。 極めつけに、美容師になりたての神月の姉ちゃんが面白がって神月の髪を刈り上げのツーブロックにしたら、それがやたらと似合っちゃって、 今や『2-Aの神月君』っていったら学年のイケメンNo.3に入るモテっぷりだ。 そのわりには、彼女つくんねーけど…… 理想がお高いのかね、イケメン様は。 「なによ」 「んんっ?」 「見すぎなんだよ、穴が開くわ」 「え」 俺、そんなに見てました……?
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