占い師ヒナコ姐さんの百円水晶 ーサバイバルナイフの少女ー

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 って、何よ。人様の名刺見て、更に眉間に皴を寄せているの!  ああ、名前ね。コレはシェフシェンコ・ヒナコと呼ぶのよ。カタカナ読めますかぁ? 「変な名前」って?   し、失敬だわ! 本人を前に失敬よ、貴女。言っておきますが、シェフシェンコ・ヒナコは本名ではないの。ワタクシの本業は占い師。だってほら、女性占い師って、やたらとカタカナネーム使う人多いじゃない。変よね、見栄ばかり張っちゃって、日本人なのに。うふふふ。 「ふ~ん、オバサン占い師なんだぁ」って、小ばかにした様な顔しないでよ。 「名刺なんて要らない」?   あら、ヤダ! 一度貰った名刺を突っ返そうとする気なの?   良いかしら? ワタクシはそんじょそこらの占い師とは訳が違うのですからね。本当よ、ホント。  今日だって、夕方までしっかり仕事して、その後ちょっと一杯引っ掛けてほろ酔い気分でもう一軒行っちゃおうかな~と思って、金曜の夜の街をぶらついていれば、公園ベンチに座る貴女が目に映ったわけ。ちなみにワタクシは超一流の心眼の持ち主。どんな相手だって運命をたちまち見抜いてしまうのだから、精々へへーと敬って頂戴。  ところで、もうちょっと席を寄せていただけるかしら?      
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