滴る天の下

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──見逃さなかったところで、その涙を拭ってやることは出来ない。 ──僕は、所詮雑草だ。  「そっか」  僕の逡巡になど目もくれないように、彼女は短く言い放った。その手はいつの間にか僕の手から抜け出て、空虚な冷たさだけが残った。
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