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作戦当日
100日目、まだ夜が明ける前の暗い朝にレイトは叩き起こされた。ふぁーっとあくびをしながら教会へ向かう。
教会にはすでに数人集まっていた。天使作戦の決行は朝早く、エルが神父に挨拶をしに来た時だ。それまでに準備をすませないといけなかった。
作戦に使うライトを数個点け辺りが少し明るくなると、半分寝ているようなハンナを見つけた。
「レイトおはよー」
「お前、そんなので大丈夫か?」
「うへへへ」
寝ぼけているのか、ハンナは少し変だった。
「顔でも洗って目ぇ覚ま……」
ミシっと音がした。
まだ寝ているはずの小鳥が一斉に飛び立った。皆が気のせいかと思った軋む音がどんどん大きくなる。
ミシミシ。ミシミシ。バリバリ。
一瞬だったはずだが、暗い中で響く不気味さのせいか数分鳴り響いていたかのように感じた。
音のする方向に気づいた時には、もう遅かった。
耳をつんざくほどの轟音が街中に響いた。それと共にガタガタと地面が揺れる。
そこいら中から悲鳴が上がる。
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