今日の君は

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ふと、自分の席の隣で人が動く気配がした。 重いまぶたを開けてみれば、あの人が座っていた椅子から離れて、彼女の友人たちと教室を出ていくところだった。 「おや?」と思い、周りを見渡してみると、財布を持って走り出したやつがいたり、机を動かして並べ、弁当を広げたり、とても賑やかな雰囲気になっている。 どうやら、授業の途中から昼休みになるまで、ずっと寝てしまっていたようだ。 「…昼飯を買いに行かないとなぁ」 そう思って机の横に掛けているカバンの中に手を突っ込み、財布を探す。 「…ん?あれ?」 嫌な予感がする。慌ててカバンを机の上に置き、中を確認する。 「うわ、入ってないなぁ…」 どうやら財布を忘れたみたいだ。ポケットの中を確認してみると、100円入っていただけ。つまりは昼飯抜き。今朝はギリギリまで寝ていたせいで、起きてすぐに慌てて家を出た。もちろん、朝飯も食べていない。 「無理。さすがに朝昼2食抜きは無理だ。」 仕方なく、クラスの友人に昼飯を買う金を借りに行こうと椅子から立ち上がったその時、 「忘れてたぁ!!」 笑い声が響き合う騒がしい教室の中でも、その声だけは誰の声かハッキリわかる。
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