一章

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ついさっき、俺は「パンッ」と大きな音がして目が覚めた。 催眠か何かをされていたのだろう。それまでの記憶が全くない。 何をされてこんな所に連れて来られているのかも、思い出せない。 わかっている事は、俺の前の席にツキノワグマが二体いる事。 そして、そいつらも今目が覚めたばかりみたいで、二体揃って仁王立ちしている事。 俺は振り向かれないように、息を浅くし、必死に魂を委縮させていた。 他の動物たちも俺と一緒に目が覚めて、混乱している最中なのだろう。 俺を含めて何をしでかすかわからないぞ、宇宙人! そうだよ宇宙人、頼むからやめてくれ。地球の生き物はデリケートなんだ。 ついでにいうと結構野蛮だぞ。すぐに暴れて手が付けられなくなる。 ほら、クマが手を動かしただけで、 ニホンザルは巻き添えを食らって吹っ飛んでったじゃないか! 俺、あんな吹っ飛ぶのは嫌だよ!
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