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凍えるような風が吹き荒ぶ。
新宿の街でも一際特徴的なビルの屋上には、1人の男と1人のライダー。
ライダーの名はルパン。
「あの子可愛かったなー。何?天樹の彼女?」
変身を解いた、天樹と呼ばれた男はジト目で声を掛けた男を見る。
「…あれ?図星?」
「全く緊張感がないなぁ…ガロウ」
明らかに叱られているのだが、ガロウと呼ばれた男…いや青年は悪びれた様子を感じさせない。
「いやだって今までコソコソ組織の兵隊とかベルト持ちから装備ふんだくるくらいしかしてなかった俺達が表のアイツらと絡めるかもなんだぜ?テンションあがるなー…!」
「おい…」
嬉しそうに話すガロウを諌めるように睨む天樹。
「…わーってるよ、あくまで今回はソレを呼道 勇騎の一派に渡すだけ…だろ?」
天樹が持つのは、少し大きめなアタッシュケース。
中を開けると、そこには2つのバックルと、いくつかの宝珠が入っていた。
「いくぞ…」
出発を促す声と共に微かに響き渡るのは獣の声。
そして…彼らの前にはワニの頭部のようなフロントカウルの電車が停車していた。
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