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妹の杏が横で少し慌てた様子でキーボードを叩きながらぼくを叱った。
「早いとこカメラを元に戻さないと」
ぼくは、ん、と返事をしてモニタ画面を切り替えた。画面にずらりとコードが並ぶ。
「ああ、やっぱり学校はいいなぁ。まだうぶな女子高生、可愛げであほな男子高校生…はぁ、みんなかわいい。ずっと見ていたいよ」
そうぼやきつつも、ぼくの瞳はモニタに広がる文字列をひたすら追いかけていく。
「普通だったら犯罪なんですけどね」
妹はさらっと言う。
「というかJKやらDKやらを見ていたいんなら自分で高校行けばいいじゃないですか、先輩」
うぐっ、痛いところを突かれた。
彼女は十五歳でまだ中学生。ぼくと違ってなかなか切れ味が鋭いナイフを持っている。そして当のぼく自身は十七歳の高校生。花のセブンティーン。若き良き栄光の時期。であるはずだが。
まあ、そんなことはどうでもいいのさ。
「そんなことよりあの志儀ちゃんって子、めっちゃ可愛くなかった?」
ぼくは話を逸らして先ほどの少女のことを話題にした。
「ああ、志儀かおる」
妹は瞬時にフルネームを教えてくれた。
「ロングヘアで目はくりくり、低身長でボディは全体的に未発達。声も幼げ。ロリコンの先輩にはドンピシャでしょうね~」
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