5人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、ごめん。ついつい興奮しちゃって。でもさ、凄いよね。キスだよ、キス!! あの二頭は恋人同士なのかな?」
「そうかもね」
「だったら、歌ってたのはラヴ・ソングかな?」
「ただの芸だろう? 声を出してただけだよ。全然メロディーになってないし」
「もう、晴人は夢がないんだから。そんなこと言ってると、女の子にモテないよ?」
「美鈴がいるから、別にモテなくてもいいし」
「それはそうかもしれないけど、ファン獲得のためにはモテる要素だって必要でしょう?」
「そりゃあ、すみません」
はしゃぐ私と対象的に、晴人は冷静に対応する。
私と晴人が出会ったのは大学生の頃。お互い、大学の軽音サークルで活動していた。私は同級生三人とポップス路線のカヴァーバンド。特にこれといったこだわりは無く、流行りの曲や気に入った曲を練習して楽しむ。私は何も楽器が弾けないので、ヴォーカルを担当していた。
最初のコメントを投稿しよう!