始まりのフラスコ

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始まりのフラスコ

 別に、死んだって構わない。  初めてそう思ったのは、いつだっただろう。  クラスのみんなに無視されるようになってから?  それとも、おばあちゃんに嘘ついてもらったお小遣いを、先輩たちに渡すようになってから?  どれだけ殴られても、蹴られても、痛みなんて感じなくなってから?  違う。たぶん、もうずっとずっと前からだ。  自分が、生きてる理由。それがどうしてもわからない。価値がない。意味もない。  そんな考えが、まるで当たり前のような顔をして、僕の世界を支配していた。そしてそれはこの先も、くだらない日常と同じように、永遠に変わらない思っていた。  そう、あの日。自殺を図ろうとした僕の目の前に、奇妙なフラスコが現れるまでは……
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